ドロップサドルとネックフィッティング

サドルの整形が終わりました。
こんな感じです。
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このサドルはドロップサドルと呼ばれ、古い楽器に時々見られます。
例えば、表板を取り外して修理している間に、横板の形が変わって、表板が元の位置に収まらないということがあります。
また、表板と横板の位置関係が変わると、サドルをニカワ付けする面積が十分取れなくなることもあります。
そんな時、このニカワ付け面を広くするために用いられたのが、写真に写っている半円状の黒檀です。
このドロップサドルは、昔、ロンドンのヒルが用いていたので、ヒルサドルと呼ばれることもあります。
私が作っているようなアンティーク楽器の場合は、前に紹介したエボニークラウンと同様に、モデルにしたオリジナルの楽器についているから、または、単純に見た目がよいから、という理由で取り付けたりします。

それから、同じバイオリンのネックフィッティングをしました。
始めに、ネックを取り付ける部分に溝を作ります。
表板、横板、トップブロックに慎重にノミを入れて、少しずつ溝を広げていきます。
実際に溝にネックを入れてみて、角度や傾きなどを何度もチェックしながら、溝の形を調整します。
ネックがピッタリと収まったら、ニカワ付けです。
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ニカワが乾いたら、ナイフとヤスリでネックとボタンの形を仕上げます。
実際に手で触って、ネックの太さやカーブなどの感じを確かめながら整形していきます。
最後は、紙やすりで表面をきれいにして完成です。
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